木質化とは?内装木質化のメリットや
「木造化」との違い、注目の背景を徹底解説
「木に囲まれた空間は心地よい」――そんな感覚的なメリットだけでなく、今や建築の世界において「木質化(もくしつか)」は、脱炭素社会の実現や企業のESG評価を高めるための戦略的なキーワードとなっています。
しかし、いざ計画を進めようとすると、「木造化と何が違うのか?」「内装制限などの法規制はどうクリアすればいいのか?」といった疑問が次々と湧いてくるものです。
本記事では、木質化の基礎知識から、オフィスや公共施設における導入効果、さらに検討時に必ず直面するコストや補助金、デメリットへの対策まで、「次に何を調べるべきか」が明確になる一歩踏み込んだ情報を網羅して解説します。
木質化の定義
木質化とは、建物の構造体(骨組み)の種類を問わず、内装や外装に木材を張り付けて仕上げることを指します。
鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨(S)造のビルであっても、壁や床に木材を使用すれば、それは「木質化された建物」と呼べます。

木造化との違い
決定的な違いは、「木が建物の重さを支えているかどうか」です。
| 比較項目 | 木造化(もくぞうか) | 木質化(もくしつか) |
|---|---|---|
| 対象範囲 | 構造体(柱、梁、土台など) | 仕上げ(床、壁、天井、建具) |
| 主な目的 | 建物の軽量化、建設時のCO2削減 | 快適性向上、意匠性、調湿、企業ブランディング |
| 既存ビルの改修 | 困難(建て替えが必要) | 容易(リノベーションで実現可能) |
| ハードル | 高度な構造計算や耐火設計が必要 | 内装制限(燃えにくさ)の基準クリアが中心 |
オフィス、店舗、福祉施設、教育施設への適用
これまで木材の利用は住宅が中心でしたが、現在はオフィス、店舗、福祉施設、教育施設への適用が増加傾向にあります。
高層ビルを丸ごと木造にするには莫大なコストと技術が必要ですが、「RC造のビルの1フロアだけを木質化する」ことは比較的容易です。そのため、既存のオフィスビルをリノベーションしてウェルビーイングな空間に変えるなど、資産価値を高める手法として注目されています。

脱炭素社会への流れ
2021年に改正された「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の施行により、木造化推奨の対象が公共建築物から民間建築物へと大きく広がりました。
これは、建物自体を「第二の森林」として、炭素を固定し続けるカーボンニュートラル(CN)への貢献を促すためです。林野庁や国土交通省も、企業に対して木の利用を推進しています。

ESG経営と企業価値へのインパクト
オフィスの木質化は、企業の環境姿勢を可視化する手法の一つとして活用されています。
単なる内装工事ではなく、ESG投資としての側面を持つため、大手デベロッパーを中心にオフィス空間や施設空間の木質化が増加傾向にあります。

空間の印象向上と店舗への誘客効果
オフィスの内装に木材を使用することで、視覚的な効果により「あたたかい」「友好的」「快適」といった良好な印象を与えることが実証されています。このような木材の活用は、従業員に快適な労働環境を提供するだけでなく、心理的な安心感や生理的なリラックス効果を通じて、施設利用者の安全を守るという点でも大きなメリットをもたらします 。
さらに、店舗などの商業空間においては、木材特有の光沢が生み出す高い「誘目性(人の目を引き付ける力)」を活かすことで、商品ディスプレイやサインへの注目度を高め、顧客を惹きつける活気ある空間づくりに寄与します 。
※林野庁「科学的データによる木材・木造建築物のQ&A」より引用

衛生的な空間づくりと、目に見えないコスト削減
多くの人が出入りする店舗や施設では、空間のニオイや空気環境の維持が課題となります。木材には、アンモニアなどの悪臭成分を吸着して消臭する効果があることが分かっています 。さらに、木材から発散される成分には、二酸化窒素などの大気汚染物質を除去する作用 や、細菌の生育を抑制する抗菌効果も確認されています 。
空調設備だけに頼るのではなく、内装を木質化することで自然の力で清潔な空間を保ちやすくなることは、衛生面を重視する店舗や施設にとって、目に見えない大きなメリットとなります。
※MOCTION「オフィス木質化GUIDE」より引用

建築基準法と不燃木材の選び方
オフィスビルには基本的に内装制限があり、使用できる素材の不燃性能が厳密に定められています。具体的には「不燃木材」や「準不燃木材」の選定が必須となります。
対策
当社の「ウッドペッカー不燃シリーズ」を採用することで、
不燃認定を取得した天然木の壁天井材を使用できます。
フローリング施工時の、下地の課題
オフィスの床下地は配線を通すため、OAフロア下地であることが一般的です。OAフロア上にフローリングを施工しようとすると、新たに下地を組む必要性があり、手間とコストがかかります。
対策
当社の「ウッドペッカーオフィス」を採用することで、
OAフロア上に直接木質床材を貼ることができます。
床材
当社では、店舗や施設空間向けの土足対応の直貼りフローリングを多数ラインナップしております。
オフィス空間にはOAフロア対応の「ウッドペッカーオフィス」がおすすめ。
壁、天井材
オフィス空間において木質壁材・天井材を検討する場合、内装制限によって不燃性能が必要になります。
「ウッドペッカー不燃シリーズ」は、国土交通大臣の不燃認定を取得しているので、内装制限のある空間にも使用可能です。
国産材
SDGsの観点から「地産地消」を重視するなら、国産材の活用は欠かせません。
輸送距離を短縮し、輸送時のCO2排出量(ウッドマイルズ)を抑えるだけでなく、日本の森林を適切に管理・更新するサイクルを支援することに直結します。
よくある質問
「木質化(もくしつか)」とはどのような建築手法ですか?
木質化とは、RC造やS造といった耐久性の高い構造体はそのままに、天井・壁・床などの内装や外壁に木材を取り入れる手法を指します。建物の安全性と木の温もりを両立できるのが特徴です。柱や梁を木で造る「木造化」に対し、既存ビルの改修でも導入しやすいことから、オフィス・施設空間で広く採用されています。
木質化と木造化の決定的な違いは何ですか?
最大の違いは「木材が構造を支えているか」という点です。柱や梁といった建物の骨組みを木で造ることを「木造化」、構造の種別を問わず内装や外装を木で仕上げることを「木質化」と呼びます。リノベーションでオフィスを木の空間に変える場合は、後者の「木質化」にあたります。
内装を木質化することで、どのような健康・心理的メリットがありますか?
木材を取り入れた空間では、落ち着きや安心感を覚える人が多いとされています。視覚的にやわらかい印象を与えるため、オフィスや福祉施設などでは利用者の快適性や満足度の向上につながることが期待されています。※これらの効果は樹種や仕上げ方法、使用環境、個人差などによって異なります。
木材を内装に使用する際の、デメリットや注意点はありますか?
注意点として、天然素材である木材は、湿度の変化による伸縮や、歳月とともに深まる色合いの変化、表面に刻まれる細かな傷などの「経年変化」が起こります。人工素材にはない、単なる消耗ではなく、使い込むほどに愛着と深みが増していく意匠性の高さこそが、木質材を選ぶ最大の価値といえます。
木質化を計画する際、費用はどの程度かかりますか?
木質化のコストは、使用する樹種や不燃処理の有無、施工面積によって大きく変動します。一般的な仕上げ材と比較して初期費用は上がる傾向にありますが、光熱費の抑制や資産価値の向上といった中長期的な経済メリットも存在します。具体的な金額については、物件の条件に合わせ施工業者様を通じ弊社へお見積りをご依頼ください。









